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Muneji Toh Architects

Fat Wood Shoji / 肥松の障子      -赤く光り出す障子-

ヤニ/樹脂を多く含んだ肥松を用いた障子を制作した。肥松は樹齢数百年を超える樹脂を多く含んだ松から採取できる貴重な材である。長い年月をかけ蓄積された松の脂は、光を捉えると赤い色を放つ。この独特な色こそ肥松の樹脂の色である。樹脂が多く、使用方法やメンテナンスに困り、昔から毛嫌いされてきた松ヤニを様々な加工技術によって、美しい素材に変えて、先進的なデザインに昇華する。本来障子は、柔らかい光を室内に取り入れ、風や寒さを遮る等の機能性を有している。和紙は保温性や通気性をもち、室内環境を快適に保つ役割をもつ。肥松の障子は和紙の障子と同じような機能を有し、さらに光を捉えると赤く光り出し、刻々と障子の表情が変化していく。昼は外部の自然光により屋内側の面が、夜は屋内の照明より屋外側の面が、赤く光り出し、時間と共に見え方が変化する。赤く妖艶に光り出す肥松の障子が、これまでの和の空間に華を添える先進的なデザインとなることを信じている。

肥松と和紙の比較

肥松 / こえまつ

樹脂を多く含んだ松

特殊な技術で肥松を薄く加工する

表面に脂が浮き出ると汚れる為、特殊な塗装で木の素地の美しさや木目を残しつつ、脂が浮き出ないようにして機能性に配慮

肥松の透過性

光を捉えると樹脂が赤く光り出す

ステンドグラスのように木が輝く

透過性をもつ肥松の障子は、視線を遮りつつも、人が向こう側にいる気配を感じ取れる

Resin Canal / 樹脂道

樹脂道は、外敵の侵入を防御するために樹脂が分泌される細長い管状の細胞間空間

障子の意匠

障子の桟を取り外せ、破損時の肥松板の取替えが容易にできるようにメンテナンス性にも配慮

昼夜で見え方が反転する肥松の障子

昼は外部の自然光により屋内側の面が、夜は屋内の照明より屋外側の面が、赤く光り出し、刻々と障子の表情が変化していく。

木目で異なる表情

木の柾目か板目かでも光を捉えた時の模様が異なり、木目と樹脂の唯一無二の模様をつくる

板目は、より荒々しく美しい表情をみせる

赤く妖艶に光り出す肥松の障子

日本の伝統美である陰翳の美しさを感じる

光を捉えて刻々と肥松の障子の表情が変化する

ステンドグラスのように木が美しく輝く

経年変化で、より深い赤で妖艶に光り出す

※プロダクト単体よりも、プロダクトと共に空間全体をご提案いたします。お問い合わせは、contactよりお願いいたします。