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Muneji Toh Architects

Plants Architecture - 建築と植物の可能性を探る -

福岡県福岡市にある弊社事務所の改修。築40年近くなる木造2階建ての建物で初期は材木倉庫として、その後電気会社事務所や他の設計事務所によって長い時を経て利用されてきた。

昨今の建築費の高騰やサスティナブルな観点から、建物を新たに建て替えるのではなく、建物を改修して、長きにわたり建物を大切に使うことの意義を示す。軸となる木造骨組みはそのままに、建物を使用する用途の変化と共に、建築の姿も変化していく。

本計画では建物1階の前面道路に面した打合せ空間を主として改修工事を進めた。打合せ空間にある1階南面の大きな窓が外部に開けている為、事務所を象徴する空間に変えて、街に対して開いていく。また打合せだけを行う空間から打合せ以外の時間も社員が休憩や仕事で利用できる空間、展示やイベントが行える空間として、非日常的な空間となる" SALON "のような空間に変えた。オフィス空間において多用途に用いられる空間はこれからの多様な働き方の中で重要になると考える。

" SALON "の床壁天井を木で包み込み、南面の大きな窓を境として内部には" 内庭 "を、外部には" 外庭 "を設けることで、木で包まれた空間に窓辺の緑が浮び上がる豊かな空間とした。" 内庭 "と" 外庭 "の緑が連続する" 内外一体の庭 "が建物に奥行きを与え、緑で街に開いていく。

内庭と外庭の緑が連続する" 内外一体の庭 "が、建物に奥行きを与え、緑で街に開いていく。

窓一枚を介して、内外一体の庭が浮び上がる。

BEFORE

建物外観の道路側やメインアプローチとなる白い外壁側を、会社の顔となるデザイン、お客様を迎え入れるデザインに変える。

AFTER

建物と道路との隙間に" 外庭 "を設け、既存デッキに横桟木ルーバーを加えて" 木のトンネル "をつくり、木と緑で満たされたアプローチとした。

メインアプローチに" 木のトンネル "をつくる。

時間と共に、" 木のトンネル "内にできる陰翳が変化する。

受付からSALON空間を見る。

既存の建築を活かして改修されたSALON空間。

BEFORE

改修前はもので溢れていて、外部に対して閉鎖的な印象。

AFTER

既存の梁型を活かしたデザインや外部に大きく開いた窓辺を美しく緑で彩る。

南面の窓辺を内庭で彩る。

光を捉えると、内庭の緑が美しく輝く。

植物が四季折々で変化し、窓辺を彩る。

夜は照明によって、仄暗く落ち着いた空間に変化する。

照明によって、空間の雰囲気を変える。

最低限の灯りで空間を照らす。

照明により、夜も窓一枚を介して、内外一体の庭が浮び上がる。

完成イメージ

Inside&Outside Garden / 内外一体の庭

" 内庭 "と" 外庭 "の緑が連続する" 内外一体の庭 "が建物に奥行きを与え、緑で街に開いていく。
植物は内と外では生育環境が異なるが、内庭と外庭の樹種を揃えて内外の植物の調和をはかる。また外庭から内庭にせり上がるように植物の高さをコントロールすることで、緑でより奥行きをもたせる。さらに内庭の鉢をデザインする。銅製鉢は土との相性が良く下部に水が溜まっても水が腐食しづらく機能的である。銅製鉢によって内庭の植物が魅力的に浮かび上がる。

植物で視線を遮ると共に、植物で街に開いていく。

Inside Garden / 内庭

機能性とデザイン性を兼ね備えた銅製鉢が、緑を際立出せる。

Outside Garden / 外庭

内外一体の庭が建物に奥行きを与え、緑で街に開いていく。

既存はアスファルト舗装で、マンホールや排水溝等が目立つ。

マンホールや排水溝等を栗石で隠し、ファサードやアプローチを緑で彩る。

トキワシノブ新芽。

ヒメシャリンバイの開花。

Front & Back Garden / 前庭&裏庭

Wood Louver

既存デッキに対して横桟木ルーバーを設けて、アプローチに10m続く" 木のトンネル "をつくる。来訪者は" 木のトンネル "に潜りこんで、建物内にアプローチしていく。

半屋外である" 木のトンネル "を介して、内部にアプローチしていく。

既存デッキに対して、横桟木ルーバーを設ける。

凹凸をもった横桟木ルーバーは、複雑なパターンをつくる。

留め具の見えない美しいジョイント。

Art Wall

SALON空間の中心に既存で設けられていた構造壁を炙銅板で覆い、空間の中心に" 炙銅板によるArt Wall "を設けた。SALON空間のどこにいてもこのArt Wallが目に入り、空間の中心にシンボルを創る。1から建材をつくり、金属のポテンシャルを引き出していく。職人の技による特殊な炙り方や特殊な条件によって、浮き出る色が変化する。虹色に輝く銅の新たな表情が、空間に華を添える。

SALON空間の中心にArt Wallをつくる。

半鏡面の炙銅板は、周りの風景を写し込み、空間に奥行きを与える。

職人と共に、多くの試作や実験を経て、制作された炙銅板。

炙銅板 昼の表情。

炙銅板 夜の表情。

施工したばかりの炙銅板。ここからの経年変化を楽しむ。

Sign

アルミニウムを燻すことで石のような表情の金属をつくり、事務所名称サインとした。夜は銅製ランプにより、陰翳でサインが浮び上がる。

Copenhagenlive

コペンハーゲンの放送局で古くに使われた表面が湾曲した木材は、外部への遮音効果と内部での音の拡散効果をもち、光により美しい陰影がうまれる。デザイン性と機能性を兼ね備えた普遍的デザイン。天井高さの低い既存空間に対して、方向性をもつこの材を縦貼りをすることで、視覚的に空間の高さ方向の広がりを演出している。

時間の変化と共に、壁の表情も変化していく。

表面の湾曲による内部での音の拡散効果で、打合せ中も声が通りやすい。

Shell Lamp

磨き上げられた貝殻は、光をおびて美しく輝きだす。

SALON空間の壁掛けブラケットランプとして貝殻が灯る。

職人による特殊な磨き方により、貝殻が美しく輝きだす。

磨き方により、貝殻の表情が変化する。

Shell Side Table

非常に薄く成形された貝殻の薄い板は、内部に隠れた貝殻の美しさを露わにする。光をとらえると様々な色や模様をみせる。

光の強さや角度により、様々な表情を創り出す。

Wood Counter

既存の受付カウンターをリフォーム。虎杢欅による天板と側面3方はコペンハーゲンリブ。照明により虎杢欅による天板が浮び上がる。

虎杢欅による天板が浮かび上がる。

Metal Spinning Lamp

Metal Spinning / へら絞り加工を用いた金属のランプ。

奥行きのある深い虹色ランプ。

受付カウンターのペンダントランプ。

Fat Wood Lamp

樹脂を多く含んだ木材により、赤黒く妖艶に灯る。

Door Handle

アントニオ・ガウディ氏による人体工学をもとにつくられた取手。有機的な形はどの角度で取り付けても手になじむ。唯一無二のデザイン。

有機的な形はどの角度で取り付けても手になじむ。

Bankers Lamp

1900年代初頭よりアメリカやヨーロッパの銀行等で用いられていたAntique Lamp。当時の技術で作られた美しい緑色のシェードは目に優しく心理的にも安らぎを与える。古き良き美しいものを空間に調和させ、懐かしくも新しい空間を創る。

Antique独自の雰囲気が空間の質を高める。

百数十年前の歴史ある美しいランプ。

那の川事務所初期

築40年近くなる木造2階建ての建物で、初期は材木倉庫として利用されてきた。

改修前

改修前の建物は以前他の設計事務所が使用していた。建物外壁の白い壁のほうがメインアプローチとなるが、お客様を迎え入れるデザイン、会社の顔となるデザインをつくる。
建物と道路との小さな隙間に" 外庭 "を設けその緑がメインアプローチとなる白い壁面へと連続していく。さらに既存デッキに横桟木ルーバーを加えて" 木のトンネル "をつくることで木と緑でお客様を迎え入れるアプローチとした。
内部のSALON空間も改修前はもので溢れていて外部に対して閉鎖的な印象をうけた。窓辺を" 内庭 "と" 外庭 "の緑が連続する" 内外一体の庭 "を設けることにより緑で街に対して開いていく。

既存 アプローチ面。

既存 道路面。

既存 デッキ。

既存 アプローチ。

改修後にSALON空間に変わった以前の打合せ空間。ものが溢れ、外部に対して閉鎖的な印象。

既存 構造壁。

改修中

既存建築のポテンシャルを活かした計画を進めていく。窓辺を美しく緑で彩る。既存の梁型を活かしたデザイン。空間の中心に添えられた構造壁を" Art Wall "に変える。天井高さが低い空間を広く魅せるように、打合せに必要な最低限の家具備品等を整理して空間を整えていく。

改修中 既存デッキ。

改修中 外構。

改修中 SALON空間。

改修中 構造壁。